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こばみほ

未来のホテルの話をしよう。「サステナブルなホテル」とは?

オーストリアや徳島で進む「サステナブルなホテル」の取り組み

不動産クラウドファンディングサービスを提供するクラウドリアルティでは、自社事業のみならず、世界や日本各地で生まれている様々な事業の芽を紹介しています。

今回は、これからの観光業を担う「サステナブルなホテル」がテーマ。宿泊施設や旅に詳しいライター・こばみほさんに、環境に配慮した取り組みを行う世界のサステナブルなホテルの事例についてご寄稿いただきました。

目次

今から、5年後、10年後、その少し先……。「ホテルは一体どのように変化していくのだろう?」と、半歩先の“未来のホテル”に思いを巡らせることがあります。

2021年、アメリカ・フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートアメリカに、「スターウォーズ」の世界を体験できるホテルがオープンするというニュースを昨年目にしました。もちろん、ウォルト・ディズニー・ワールドの中のコンテンツの1つではありますが、きっと、SFの世界に没入できる未来のホテルが完成するのではないかと、今からわくわくしています。

SF、エンタメ、テクノロジー……。様々な領域を横断し、新しい要素を取り入れ形作られていくであろう“未来のホテル”。

そんな中で、今回は「サステナブル」をキーワードに、未来のホテルについて考えてみたいと思います。

人々の消費の1つの柱になりつつある、「サステナブル」な考え方

サステナブル(Sustainable)とは「持続可能な」という意味の言葉で、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などを指す言葉として使われるようになりました。

近年日本を襲う凄まじい台風を筆頭に、明らかに地球環境が昔とは変わってきていることを感じます。世界を見渡しても、気候変動や大規模火災など、日々環境に関するニュースを目にしますよね。

そんな時代の転換期を迎えたからこそ、企業やブランドの「サステナブル」な取り組みに関心が集まり、人々の消費行動にも影響を与えています。今年1月に日本に初上陸した、シリコンバレー発のシューズブランドAllbirdsの環境問題を考慮したモノ作りが話題になったことなども記憶に新しいです。

消費の意思決定の軸の1つに、環境に配慮しているかどうか? など「サステナブル」な視点で商品を選ぶ人も増えてきているのではないでしょうか。

旅やホテルと、「サステナブル」

旅行ECサイト『ブッキングドットコム』が2019年に旅行者向けに行った「サステイナブル・トラベル」に関する調査で、以下のような興味深い結果が発表されていました。

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出典:ブッキング・ドットコムの 「サステイナブル・トラベル」に関する調査結果(2019年)

旅において世界的に「よりサステナブルな選択をしたい」という考え方が浸透してきていることがうかがえますが、一方で、消費者が宿泊する宿のサステナビリティについて知る機会が少ないのが現状です。

旅やホテルでの滞在というのは、プラスチック・食・エネルギー……様々な消費に関する課題が潜んでいる領域でもあります。ホテルの開業が相次ぎ、観光が経済を支える重要な柱となっていく日本でも、今一度、消費者側・宿主側双方が、これからのホテルのあり方について考えていくべきフェーズに差し掛かっているのかもしれません。

サステナブルに取り組む世界のホテル

今回は、限りある資源のことを考えエコ活動に取り組むなど、環境に配慮した取り組みを行うホテルの事例をご紹介します。

徹底した環境への配慮。オーストリア ウィーン『Hotel Stadthalle』

世界の中でもSDGs(*1)への取り組みが進んでいる国が多いヨーロッパ。オーストリアの首都ウィーンにある「Hotel Stadthalle」は、ウィーンの中心地にありながら、緑のオアシスのように感じられるホテルです。こちらのホテルでは、「green at heart」をコンセプトに、様々な領域でサステナブルな取り組みを行っています。

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引用元:Hotel Stadthalle公式サイト

建物は、ドイツのパッシブハウス(*2)研究所が規定する性能基準を満たす省エネ建築を使用。太陽光発電パネルにより必要なエネルギーを生産したり、エコシャワーヘッド・省エネ仕様のLEDライトを導入したりするなど、水とエネルギーの消費を大幅に削減。部屋にミニバーを設置しないことで、年間で2万kg以上のCO2を削減し、そのかわり、いつでもフロントで飲み物を注文したり、ロビーで飲料ディスペンサーを使用したりすることが可能です。

ホテル内にはハーブやラベンダーを育て収穫するガーデンを持ち、そこで採れたハーブの使用や販売をするほか、6つのミツバチのコロニーを持ち、ホテルで使用する蜂蜜を生産しています。

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引用元:Hotel Stadthalle公式サイト

訪れるゲストにもエネルギーの節約や、環境への配慮を促しており、電車、自転車、電気自動車で訪れたゲストには、客室料金を10%割引するなどのサービスも提供。

その他にも地元の企業と協力し、よりエコな客室づくりにチャレンジし、地域を巻き込みながら様々な取り組みを行っています。宿泊料金は1泊1人あたり約7500円〜と、比較的リーズナブル。緑に囲まれリラックスしながら過ごしていると、自分の宿泊に使われるエネルギーが循環しホテル内で新たな価値を生む。そんな先進的なホテルです。

日本発 ゼロ・ウェイストホテル。徳島県 勝浦郡上勝町『HOTEL WHY』

徳島市内から、車で約1時間。雄大な山々に囲まれた徳島県の奥地にある「上勝町(かみかつちょう)」は、2003年に日本で初めて自治体として「ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言」を行なった地域です。

この町は、人口1,600人に満たず、かつ高齢化率約50%(平成28年1月1日現在)と過疎化が進んでいます。上勝町が「ゼロ・ウェイスト宣言」を行なって以来、上勝のごみステーションには世界中から環境問題に興味を持った人々が見学に訪れるようになったそう。先進的な活動自体がデスティネーションとなり、町おこしにもつながっています。

そんな町にゼロウェイストを体験できるホテル「HOTEL WHY」が2020年4月25日にオープンします。

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引用元:公式HP

「HOTEL WHY」は、環境型複合施設『上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY)』の一部で、他にも、リサイクルごみ集積場の「ごみステーション」、「くるくるショップ」、「セミナールーム」、「ラボ」からなります。

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出典:プレスリリース

施設は、住民配慮の環境整備に加えて、ゼロ・ウェイストの取り組みを学び、体験できる環境教育施設として活用していくそうです。ホテルには宿泊機能以外にも、アドベンチャー&エコロジーツーリズムのインフォメーションデスクを設置。上勝の自然を体験するフィールドアクティビティーやエコライフ体験などのプログラムを用意。1日を通して上勝町の豊かな自然を感じつつ、環境について学び考える機会を提供します。

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出典:プレスリリース

大量消費・大量生産社会の次の建築を目指し、地域で伐採された杉材や不要になった建具や家具などを活用して設計されています。木の温かみを感じられ自然と調和するのびのびとしたデザインは、建築としても非常に見応えがあります。

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出典:プレスリリース

複合施設全体の名前となった「WHY(ワイ)」の由来は、「なぜ、今? なぜ、ここに?なぜ、我々が? なぜ、ごみを?」という問いへの答えが見つかる場所になるようにとの想いが込められているそうです。

このホテルはエコな取り組みを行う町の「ショーケース」としての役割を果たし、滞在や施設での体験を通じて、私達が消費やゴミ問題・環境問題について向き合うきっかけを与えてくれるホテルになるでしょう。きっとそこでは、日々の暮らしでも実践できる小さなアクションのヒントを得られる場所になる予感がしています。

全4室、1部屋あたり2人〜4人まで宿泊が可能。料金は1泊朝食付で12,000円~。公式HPから予約受け付けが開始中です。

“未来のホテル”を想像してみませんか?

環境問題がより一層深刻になっていくと、旅をすること自体に罪悪感を感じてしまうような未来が訪れてしまうかもしれません。そんな中、“未来のホテル”は一体どんなホテルになっていくでしょうか?

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エネルギーを活用し有機野菜やハーブを育てて売る、「生産者」となるホテル。雨水などを活用し、おしゃれな“クラフトウォーター”を作って販売する、クラフトマンシップ溢れるホテル。ミツバチと共に暮らし、はちみつ農園を併設するファームホテル……。ホテルという空間があるからこそ、環境に配慮しながらエネルギーを循環させ、商品を生み出すことにチャレンジできるかもしれない。

はじめは大掛かりな取り組みができなくても、まずはミニバーをやめてみる。他にも、山の生態系を知るネイチャーツアーや、ビーチクリーンをはじめてみる。

未来のホテルは、ゲストを巻き込み、自然に対してアクションを起こす中心的存在になるかもしれません。

宿泊すること自体が、環境に対し理解を深め、アクションするきっかけになっていく。そんな未来のホテルがあったら、旅の価値、ホテルの価値が再定義され、私達の生活にも良い影響を与えてくれる可能性を秘めている気がするのです。

みなさんは、どんな“未来のホテル”を想像しますか?


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Profile

ホテルと旅の研究/プロデューサー
こばみほ

自身の趣味でもある旅やホテル巡りの経験を活かし、フリーでランスで旅や地方のプロデューサーやPR・ライターとして活動。その他、ホテルの運営・プロデュースを行う会社にて、既存・新規のホテルのプロデュースや企画を担当。SNSでは、ホテルや旅の魅力を、歴史やストーリー・その土地の文化から紐解き発信中。ホテルと歴史、渋い宿が好き。日々、「こんなホテルがあったらいいな」を妄想中!twitter@kobamiho52c Instagram kobamiho52c


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