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"人を結び 街を紡ぐ" 京町家再生への道のり(後編)

株式会社レ・コネクション代表インタビュー

京都で30棟の宿泊施設を運営している株式会社レ・コネクション。空き家になっている京町家を一棟貸しの宿泊施設に再生することで、地域に貢献するビジネスを目指しています。クラウドリアルティで資金を集める意義とはなんだったのか、後編では不動産投資の観点で京町家の今とこれからの展望について語っていただきました。

(前編)はこちら
~紡~石不動之町 京町家再生プロジェクト
株式会社レ・コネクション 代表取締役 奥田 久雄さん

Profile

株式会社レ・コネクション
代表取締役 奥田 久雄

不動産業のマネジメントや事業に魅力を感じ、2016年レ・コネクションを設立。宿泊施設の物件売買や運営管理を通じ、京都の文化や美しさを広めるという不動産業ならではの取り組みが注目を集める。京都市出身。

目次

"所有"することが難しい京町家

クラウドリアルティで資金を集めることの意義は何でしょうか?

減少していく京町家に対して保存した方がいい、というのは誰もが反対しないことだと思いますが、実は個人が京町家を"所有"するのは非常に難しいことなんです。まず通常の金融機関では築古の物件と扱われます。さらに再建築不可の物件であったり※、路地の奥の立地となると不動産としては高く評価しにくくなります。

つまり、なかなか融資が下りにくいということになるので、いくら市場価値として希少性があったとしてもなかなか個人では手が届きにくいというのが現状です。
ワンルームマンションの投資のように個人が金融機関から融資を受けて投資をするという方法は京町家にはなかなか当てはまらないと思います。
そこで、クラウドリアルティを使って個人の投資家のみなさまからお力を借りて、京町家を次の形として残していけるっていうのはとても魅力的なことだと思っています。

※再建築不可:現在の建物を取り壊して新たに建てることが難しい物件のこと。主に建築基準法で定められている道路に接していないなど様々な物的要因、人的要因で建て替えが困難なケースがある。
~紡~石不動之町
~紡~石不動之町 京町家再生プロジェクト対象物件の改装前の建物正面

オーナーに寄り添う、トータルサポートの強み

御社の強みは?

京都の四条烏丸に本社を置いておりまして、社員は50人くらいです。不動産営業、建築、宿泊、企画の4つの組織でやっています。出身も京都ですし、ずっと京都でやってきましたから不動産の仕入れに一番力を入れています。
京町家はオーナー様の相続や税金など様々な問題を解決していくことが重要になってくるので、弁護士や税理士など士業の方とのタイアップが必須になってきます。

我々は単なる仲介ではなく、士業の方々と力を合わせてオーナー様に寄り添ってトータルサポートをさせていただいています。おかげさまでなかなか市場には出てこない京町家のご相談は、ほとんど人のつながりでご紹介いただいています。特にこの京都の不動産市場においては、信頼いただいた人からのつながりでご紹介いただく情報が一番確実だと感じています。

創業から約3年で宿泊施設30棟を運営されています※。なぜ急スピードで展開できたのですか?

ひとつひとつ真面目に用地を仕入れて、企画して、パッケージとして販売するということを愚直にやってきました。当然初めの年は運営のコストがうまくあわなかったり、いろいろたいへんな時期もありましたが経験と棟数が増えるごとにオペレーションも磨くことができ、経営効率も上がってきましたね。真摯に取り組んできた結果だと受けとめています。

そして宿泊施設の展開のスピードを上げることができたのは営業網を広げたことが大きいですね。京町家のオーナーには京都にお住まいでない方も多いです。そういったオーナーの方にアプローチをかけてきました。ひとつ実績が出るごとにそれを評価いただいて次の案件をご紹介いただいたり、コツコツとやってきました。

※宿泊施設30棟運営(2019年3月末時点)
紡 松原堺町
紡 松原堺町
~紡~石不動之町 京町家再生プロジェクトの対象物件より徒歩約4分(280m)の距離に立地し、平均稼働率は約92.6%(2019年3月末時点)。

不動産業と宿泊業の両方をされているのはなぜですか?

7年くらい前でしょうか、私が前職で不動産会社にいた頃から感じていたのは、"モノ"を提供する立場にならないと厳しいということです。"モノ"とはつまり売れる不動産の"企画"をするということです。

情報化社会が進んで、どこにいっても同じ不動産の情報が手に入ります。当然買い手の方が有利になってきます。さらに仲介業は大手の参入で競争が激しくなってきていましたので、事業を興すには"モノ"を提供することが大事だと考えていました。しかし、必ずしも"宿泊"という業態が不動産の最大ポテンシャルを引き出せるわけではないと考えています。不動産は唯一無二ですので、その不動産が住宅に向くのか、商業に向くのか、トータルにプロデュースするということを今後もやっていきたいですね。

目指すのはゲストと地域住民が集うコミュニティ

奥田 久雄さん

宿泊施設のゲストはどんな方が多いですか?

海外からの旅行者が8~9割です。平均宿泊数が3~4泊の方が多いです。ヨーロッパの方は長期滞在の方が多く、アジアの方は2~3泊が多いですね。レセプションでは英語、中国語、台湾語に対応しています。

地域住民に対してどんな配慮をしていますか?

宿泊業者として大事なことは騒音、ゴミ、火事への対応です。騒音に対してはゲストに対して予め注意を促しています。ゴミは原則施設内から出さないようにしていただいて、連泊の場合は数回ゴミ回収に伺います。喫煙されるゲストもおられますので施設ごとに禁煙と喫煙のスペースをしっかり分けてルールを守っていただくようにしています。それでも何かあった際は24時間体制ですぐにスタッフがかけつけることができるようにしています。

旅行者と地域住民の問題については一般的にニュースで取り上げられたりすることが多くなり悪いイメージが先行していますが、そんなに悪いことばかりではないはずです。我々事業者としては地域コミュニティを守れる場を創っていくことを目指しています。

宿泊事業が地域にとって良いものだと感じてもらえる働きかけが大事です。町内会費も払わせていただき、うちの社員も地域の行事に参加させていただけるよう小さなことからやっていく方針です。ゆくゆくは町内会の行事にゲストが参加してもらえるようにしていきたいですね。

事業者、旅行者、地域住民のそれぞれの理解が大事なのでコミュニティの場を積極的に作っていって、宿泊事業が地域にとって良いものだと感じてもらえることをしっかりやっていきたいです。

今後の目標は?

2019年4月から4期目に入ったので4期目で宿泊施設の運営50棟が目標です。
宿泊、不動産だけではなく他の事業展開も考えています。アイデアとしては、宿泊のレセプションを兼ねた飲食業です。立ち飲み屋みたいな感じで、地域の人が集まってくるような場を作りたいですね。

京都市の条例で簡易宿所には施設外帳場を設けないといけません。宿泊の際に必ず訪れていただくレセプション(=施設外帳場)をゲストが単に鍵を受け取るだけでなく、地域の方々と交流できるような場にしていきたいです。

経営としても"施設外帳場"が単なる運営コストではなく、飲食の収益も得ることができ、地域の賑わいの場になれば三方よしになりますよね。もともと料理が好きなんですよ、調理師免許も持っているので。せっかく京都に来ていただくのですから、宿泊だけではなく地域ならではの体験をサービスとしてご提供したいですね。


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